「仕事と生活の境界が曖昧になった」という相談は、2020年以降に急増しました。専用の書斎がなくても、照明と間仕切りの工夫次第で、同じ空間を「仕事モード」と「くつろぎモード」に切り替えることは十分できます。渋谷区のプロジェクトで実際に試みた方法を紹介します。

在宅ワークの部屋を「仕事モード」に切り替える方法

照明の色温度で「モード」を切り替える

仕事中は色温度が高め(5000K前後の昼白色)、くつろぎタイムは低め(2700K前後の電球色)に切り替えるだけで、脳が「今は仕事の時間」「今は休む時間」と認識しやすくなります。調光・調色対応のLED照明は、スマートフォンで操作できる製品も増えています。渋谷区の事例では、この切り替えだけで「仕事が終わった気がしやすくなった」とお客様に言っていただきました。

可動式間仕切りで視覚的に区切る

壁を作らなくても、可動式の間仕切りパネルで視覚的に空間を区切ることができます。使わないときは壁に沿って収納でき、来客時にも対応できます。渋谷区のプロジェクトでは、国内の職人工房に特注した杉材の格子パネルを採用しました。光を通しながら空間を区切るため、圧迫感がありません。

デスクの向きは「窓に対して直角」が基本

デスクを窓に向けると、外の景色が気になって集中しにくくなります。窓を背にすると、画面に光が反射します。窓に対して直角に配置するのが、採光と集中のバランスが一番取れます。この配置は部屋の広さに関係なく有効で、1LDKでも実践できます。

「仕事が終わったら片付けられる」仕組みを作る

在宅ワークで一番ストレスになるのは、仕事道具が常に目に入ることです。デスク周りに扉付きの収納を設けるか、ロールスクリーンで隠せるようにするだけで、仕事が終わった後の気持ちの切り替えがしやすくなります。「見えなければ、そこにない」という感覚は、思った以上に精神的な余裕につながります。

在宅ワークの空間は、一度作ったら終わりではありません。実際に使いながら少しずつ調整していくものです。「なんか集中できない」と感じたら、まず照明の色温度を変えてみてください。